茨城に本社のある北関東を中心に店舗展開している和食チェーンの「ばんどう太郎」
東京にはお店がないので知らないからも多いはず。
私は父の実家の銚子に行く時にたまたま途中にお店があって知っていました。
先日、東京テレビビジネスオンデマンドで番組を探している時に、カンブリア宮殿のバックナンバーで見つけて、名前を知っていたから観てみました。
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私も一度入った事があって、その時はあまり気にしていなかったのですが、番組で紹介されていた従業員満足にかける社長の心意気が素敵だったのでご紹介したいと思います。
企業理念は「親孝行」
ホームページに載っている、ばんどう太郎の経営理念はこう記載されています。
ばんどう太郎の親孝行とは
(1)ばんどう太郎の「親」とは
目上の人、上司、先輩、親、すべてお世話になった人を親といいます。(2)ばんどう太郎の「孝」とは
相手に理解していただくまで誠心誠意人に尽くすことです。(3)ばんどう太郎の「行」とは
自らの行動で実行し続けることです。人が育つ会社、人を育てる会社、人づくり企業を目指します。
お客様のおもてなしをするのに、各店舗に女将さんがいるそうです。
女将さんはお客さんを駐車場に出迎え・送迎に行ったり、お客さんの席を回ってお話をしたり全体に細かい気配りをし、旅館の女将さんさながらに見えました。こういった女将さんに会いにお店を訪れる人も少ないとか。またお店では生後100日に行うお食い初めのお膳や、葬儀の法要なども行えます。番組で紹介されていたのは、故人がばんどう太郎の大ファンでいつも来ていたので、故人の好きだった物をみんなで食べようと法要を行っていました。こうした地域密着、細かいところまで気を配るサービスが好評で売り上げを増やしています。そのきめ細やかなサービスの背景には、従業員がやらされているのではなく、自分が率先してお客様におもてなしを実践していることが大きく関係している。
売り上げが優秀だった社員だけでなく、お客様のアンケートで接客ナンバーワンの評価をもらった社員・パートさんも同じように評価する仕組み、年に一回全店舗休業して開かれる、パートさんを社員がホスト役になって招待するパーティーなど、あのディズニーランドを運営するオリエンタルランドも実践する、従業員満足を高めるメソッドがたくさんつまっています。その昔は全く逆の考え方で利益重視型の会社で、退職者が後をたたなかったそうです。そこで社長自ら全社員の声に耳を傾け、出した結論が「売り上げ日本一」から「幸せ日本一」への変更です。
一つ印象深かったエピソードがありました。ばんどう太郎の新入社員は、初任給をもらったら親に正座をして報告をしなさいと指導しているそうです。一人の女性社員が会社の教えとおり親に正座で報告すると親から手紙がきたそうです。こういった人間形成としての「孝」について教えてくれる会社って素敵だなと思いました。
地域とともに大きく成長する、地域への孝行も忘れない
ばんどう太郎は食材や物流を地元の農家・業者に任せています。これは創業当時から変わらずに、多店舗展開を始めて会社が大きくなっていっても変えていないそうです。コストの面でいえば割高にはなりますが、決して買いたたくということはしないそうです。業者のほうもその社長の想いに答えようと最高の品質の食材やサービスを提供します。これが幸せのサイクルを生み出し、結果としてお客さんの喜びへとつながっている。
またそういった外注さんだけにはとどまらず、地元の若い経営者のために経営塾を開催しているそうです。「利益第一」よりも「幸せ第一」を実感出来る会社が地元に一つでも多くあって欲しいという願いをこめて手弁当で開催しているそうです。
こういった従業員満足の仕組みづくりが成功して、番組内でパートさんが「残りの人生をばんどう太郎にかけています。」とまで言っていました。そういった社員・パートの方の強い想いを引き出すことができると、自然と顧客満足につながるようなお店づくりというのは容易に実現してしまうんだろうなと感じました。今度銚子に帰郷の際は、お店に行っておもてなしの現場を実感したいと思います。
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